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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科38巻4号

1984年04月発行

文献概要

特集 第37回日本臨床眼科学会講演集 (その3) 学会原著

桐沢型ぶどう膜炎の臨床像と全身所見

著者: 高山秀男1 村岡兼光1 粟根裕1 堀内知光1

所属機関: 1群馬大学眼科学教室

ページ範囲:P.369 - P.375

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 我々は急性発症で,周辺眼底から始まる黄白色混濁と網膜動脈周囲炎を最大の特徴とし,治療に反応せずに急激な経過をたどり,末期層に萎縮展底あるいは網膜剥離になった,原因不明の自験例5例9眼を「桐沢型ぶどう膜炎」と診断し,その臨床像を検索した。本症は網膜と脈絡膜の循環障害を同時に伴った網膜壊死を中軸病変とし,欧米のacute reti—nal necrosis syndrome, ARNS (急性網膜壊死症候群)と同一疾患であると結論された。また,高頻度で眼動脈ないし脳動脈の狭窄があり,1例に低免疫状態があった。我々は本症をこうした全身所見の有無にかかわらず,前記の特有な眼臨床像を有する全ての症例を包括する疾患と定義し,それがclinical entityとしての特徴を具備していることを確認した。病名terminologyとしては,ARNSの方が病像と発症病理をより良く表現しているので,これを採用することを提唱する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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