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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科38巻4号

1984年04月発行

文献概要

特集 第37回日本臨床眼科学会講演集 (その3) 学会原著

ぶどう膜炎における硝子体の電顕的観察と免疫生化学的分析—2症例の桐沢型ぶどう膜炎を中心に

著者: 臼井正彦1 長谷見通子1 大西由子1 大浜敬子1 高村健太郎1

所属機関: 1東京医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.381 - P.387

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 2症例の桐沢型ぶどう膜炎から得た切除硝子体を電顕ならびに免投生化学的方法によって検索した。電顕観察では,硝子体細線維の集塊と電子密度の高い顆粒状物質が認められた。また,細胞内および破壊された細胞に100〜160nmのウイルス様粒子が発見された。
 免疫生化学的には,硝子体可溶性蛋白の濃度が著明に増加し,特にIgGは可溶性総蛋白量に対する割合がほぼ一定で,かつ大きい傾向がみられた。このIgGは水痘一帯状ヘルペスウイルスに対し高い抗体価(128倍)を有し,血清のものと比較した抗体率は88と有意に上昇していた。以上の結果より,桐沢型ぶどう膜炎の病原体として,水痘—帯状ヘルペスウイルスが強く示唆された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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