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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科38巻4号

1984年04月発行

文献概要

特集 第37回日本臨床眼科学会講演集 (その3) 学会原著

ベーチェット病における眼病変の変遷(第2報)

著者: 三村康男1 西内貴子1 和田恵子1 湯浅武之助2 水野薫2

所属機関: 1徳島大学医学部眼科学教室 2大阪大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.389 - P.392

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 これまで我々はベーチェット病の眼病変の変遷について臨床的に検討し報告してきたが,今回は症例を増やしさらに四国地区の患者も加え,合計663名を対象として眼病変発症の年次によりA・B群にわけ,病型および性差,副症状の出現状態,眼病変発症年齢,視力予後について比較検討し次の結果をえた。
(1)病型では,B群における全症例および男性患者で完全型の有意の減少がみられた。男女比ではB群で男性患者が減少していたが,有意差はみられなかった。
(2)副症状の出現頻度は,全国調査結果とくらべ,眼症状を有する患者では消化器症状,血管系症状,神経系症状が有意に低かった。A・B両群の比較では,B群で関節炎症状,副睾丸炎,神経系症状が有意に低かった。
(3)副症状の出現数が2以上である症例は16.7%であった。
(4)眼病変発症年齢においては男女ともにA・B両群間に差はみられなかった。
(5)定型的な螢光眼底所見を示した網膜ぶどう膜炎型の視力予後は,発症後5年で判定するとB群の有意の改善がみられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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