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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科38巻4号

1984年04月発行

特集 第37回日本臨床眼科学会講演集 (その3)

学会原著

難治性べーチェット病に対するCyclosporin A療法

著者: 赤沢和美1 溝渕京子1 秋谷綾子1 茂木桂子1 荻原葉子1 増田寛次郎1

所属機関: 1東京大学医学部分院眼科

ページ範囲:P.393 - P.397

文献概要

 従来の治療によって眼および全身症状を抑えることができなかった難治性ベーチェット病患者9例16眼に対し,Cyclosporin A療法を施行した。投与量は10mg/kg/dayとして,症状に応じて増減した。投与中視力低下をおこしたもの5眼,うち2眼はべーチェット病の眼発作であり,1眼は硝子体索状物の牽引による硝子体出血,2眼は硝子体混濁の増悪したものであった。投与後に視力の低下したものは,眼発作をおこした2眼であり,不変3眼,軽快11眼であった。全身症状は9例中7例において軽快したが,2例は投与後も全身症状に変化はなかった。免疫学的検査ではOKT4/OKT8で1例のみ低値を示したが他の症状は正常範囲であった。ツベルクリン反応は,強陽性であった3例のうち2例に陰性比が認められた。Cyclosporin A最低血中濃度は,眼発作をおこした症例は全て30ng/ml以下と低値を示し,眼発作をおこさなかった症例は30ng/ml以上の値を示した。経過観察期間が短かいために,薬剤の有効性についてはさらに長期間の投与観察を要する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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