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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科38巻4号

1984年04月発行

文献概要

臨床報告

網膜色素上皮細胞の網膜下液排液機能について—網膜剥離患者における検討

著者: 千原悦夫1 塚原勇1

所属機関: 1京都大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.445 - P.448

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 神経網膜と網膜色素上皮細胞の間には解剖学的な糸結合がなく,この両者が接着するためのメカニズムとして視細胞間物質,外節と網膜色素上皮細胞の交互嵌入などの他に,網膜色素上皮細胞が網膜下腔より脈絡膜側へ水を排出し,網膜下腔に陰圧を生ずることが重要であると考えられている。われわれはこの網膜色素上皮細胞の排水能力を推定するために,網膜剥離患者において手術前の超音波断層像を撮影して網膜下液量を計算し,これが消失するまでの時間を測定することによって,網膜色素上皮細胞を介した網膜下液の排液量を推定した。網膜色素上皮細胞は1日に200μl/cm2以上の網膜下液を脈絡膜側へ排液していると考えられ,神経網膜が網膜色素上皮細胞に接着するために重要な役割を果たしていると考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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