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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科38巻5号

1984年05月発行

文献概要

特集 第37回日本臨床眼科学会講演集 (その4) 学会原著

外傷性視神経障害の臨床的解析

著者: 関谷善文1 大久保潔1 田上勇作1 諌山義正1

所属機関: 1神戸大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.495 - P.499

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 非開放性外傷性視神経障害67例73眼の視機能障害を視野変化のパターンにより,視野消失型,水平半盲および不規則欠損型,片側耳側半盲型,中心暗点型,求心性狭窄型の5型に分類した。視神経は解剖学的に眼窩内,視神経管内,頭蓋内の3部に分けられるが,その各部における血管支配を考慮に入れ,病理学的検討報告を参考として,各型の視野障害の成因を検討し,発症機転を類推することにより,個々の症例の病態を推測しえた。
 次に視機能障害の経過につき,保存的療法と手術療法を対比して観察した。すなわち,治療効果の判定に新しい基準をもうけ,今まで考慮されることのなかった視野変化の推移を加味して検討した。全体として手術施行例22眼中14眼の改善,非施行例51眼中18眼の改善を示し,手術施行例に有意に高い改善率を示したが,非施行例でもかなりの改善率を示し,今後なお,治療の面で検討の余地があると考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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