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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科38巻5号

1984年05月発行

文献概要

特集 第37回日本臨床眼科学会講演集 (その4) 学術展示

慢性腎不全透析患者にみられる網脈絡膜血管病変(抄録)—蛍光眼底造影所見を中心にして

著者: 入野田公穂 佐藤章子1 三上規1 町田祐子1 松山秀一1

所属機関: 1弘前大学医学部眼科

ページ範囲:P.535 - P.535

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 慢性腎不全透析患者には,高血圧症の合併頻度が高く,また心・血管障害が死因の半数近くを占めていることから,透析患者にとって血管病変は避けることのできない問題である。今回我々は,当院および鷹揚郷腎研究所にて加療中の人工透析患者75名(年齢19〜72歳平均年齢45.7歳,透析歴3カ月以上11年7カ月まで平均透析歴4年7カ月)に対し,視力,眼底および螢光眼底検査,網膜電図検査等を行い網脈絡膜血管病変を検討し,また血圧値(最高血圧)との関係について検討した。原病の内訳は慢性糸球体腎炎59名,嚢胞腎5名,慢性腎盂腎炎4名,糖尿病性腎症およびループス腎炎各1名,その他5名である。
 結果:(1)脈絡膜血管病変として脈絡膜背景螢光の充盈遅延,Elschnig's spot,脈絡膜大血管の閉塞が認められ,これらの脈絡膜血管異常所見は39例(52%)にみられた。一方網膜血管病変として毛細血管透過性亢進,毛細血管瘤,毛細血管床閉塞,RPCの拡張,動・静脈の著しい狭細化・閉塞が認められ,これらの網膜血管異常所見は29例(38.796)にみられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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