特集 第37回日本臨床眼科学会講演集 (その4)
学術展示
陳旧性硝子体出血に対するウロキナーゼ硝子体内注入療法—その2ウロキナーゼ純度による臨床効果の検討
著者:
玉城宏一1
沖坂重邦1
武谷ピニロピ2
所属機関:
1防衛医科大学校眼科
2武谷病院眼科
ページ範囲:P.536 - P.537
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緒言WilliamsonとForrester1)の報告以来,陳旧性硝子体出血に対してフィブリン溶解酵素活性剤であるウロキナーゼの硝子体内注入療法が試みられ,我々も1978年6月より高純度のウロキナーゼを使用して良好な成績を得ている2)。最近では製剤技術の進歩により更に高純度のものの使用が可能になった。今回我々は24,000国際単位ウロキナーゼ硝子体内注入療法を施行した20例について,蛋白含量0.83mg/mgのものを使用した前期10例と,蛋白含量0.17mg/mgのものを使用した後期10例について術後の硝子体混濁,視力,合併症(前房蓄膿,虹彩毛様体炎,白内障,緑内障)などについて比較検討したので報告する。
対象および方法対象は表1に示すように長期間の非観血的治療(3カ月から78カ月)にもかかわらず高度の視力低下をきたしている硝子体出血20例とした。なお術前検査としてERGや超音波断層検査を施行した。