icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科38巻5号

1984年05月発行

文献概要

特集 第37回日本臨床眼科学会講演集 (その4) 学術展示

結節性硬化症における血液網膜柵および血液房水柵透過性の検討

著者: 瀬戸千尋1 江口秀一郎2 新家真2 小室優一2

所属機関: 1東京都養育院付属病院 2東京大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.538 - P.539

文献購入ページに移動
 緒言結節性硬化症は,顔面脂腺腫,癲滴発作,知能発育障害を主徴とし,全身諸臓器に多発性の腫瘍を生ずる疾患であり,特に稀な疾患ではない。眼科的にはVan der Hoeveが本症に眼底腫瘍を発見1)して以来,多彩な眼合併症の報告があるが,特に眼底病変の発現頻度に関しては,報告者によっては本症の約半数を占める2〜4)。眼底病変は漸次進行し,網膜,硝子体出血や腫瘍崩壊,散布を生じ,ついには重篤な視力障害を来たす事もあり,かつ,検眼鏡的に眼底病変の認められない症例にても,螢光眼底撮影上,異常を認める症例が報告されている5)。更に本症にはしばしば白内障,虹彩異色等の前眼部病変を伴うことが報告されている2,3)。今回我我は本症の眼病変の病態をより詳しく把握するために,fluorometryの手法を用いて血液房水柵(BAB)および血液網膜柵(BRB)につき検討したので報告する。
 対象および方法1)対象;当院皮膚科にて結節性硬化症と診断された4名(3名は同一家系6))であり,年齢性別,眼病変を表1に示す。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?