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臨床報告
透析療法中の糖尿病性牽引性網膜剥離症例の硝子体手術
著者: 上谷彌子1 高塚忠宏1
所属機関: 1虎の門病院眼科
ページ範囲:P.547 - P.551
文献購入ページに移動 無ヘパリン化血液再循環透析法partial blood recirculation dialysisで維持透析中の糖尿病性牽引性網膜剥離患者3眼に,硝子体切除術を施行した。
(1)症例1は術前視力の指数弁から0.6へ,症例2は手動弁から0.3へ,症例3は指数弁から0.5へと良好な視力改善を得た。
(2)術中術後の大きな出血はなく,2症例では,虹彩ルベオーシス出現もなく,眼圧上昇も認められなかった。1症例では併発白内障摘出術を同時に施行したため,術後1週目に虹彩ルベオーシス出現,眼圧上昇をみたが,加療により1カ月後にはルベオーシスは消褪し,眼圧も落着いた。
(3)3症例共,術中術後を通して全身状態は安定し,血糖値コントロールも良好であった。無ヘパリン化血液再循環透析法は,維持透析中の糖尿病性牽引性網膜剥離患者の硝子体切除術時,および術後の出血予防に有効であった。
(1)症例1は術前視力の指数弁から0.6へ,症例2は手動弁から0.3へ,症例3は指数弁から0.5へと良好な視力改善を得た。
(2)術中術後の大きな出血はなく,2症例では,虹彩ルベオーシス出現もなく,眼圧上昇も認められなかった。1症例では併発白内障摘出術を同時に施行したため,術後1週目に虹彩ルベオーシス出現,眼圧上昇をみたが,加療により1カ月後にはルベオーシスは消褪し,眼圧も落着いた。
(3)3症例共,術中術後を通して全身状態は安定し,血糖値コントロールも良好であった。無ヘパリン化血液再循環透析法は,維持透析中の糖尿病性牽引性網膜剥離患者の硝子体切除術時,および術後の出血予防に有効であった。
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