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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科38巻5号

1984年05月発行

文献概要

臨床報告

蛍光網膜電図(Fluorescein ERG)増殖性糖尿病性網膜症と汎網膜光凝固術

著者: 玉井信1

所属機関: 1東北大学医学部眼科

ページ範囲:P.553 - P.556

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 フルオレスセン(F)静脈内注射後その励起光により記録される螢光網膜電図(F-ERG)は血液—網膜柵(BRB)の障害を反映している。BRBの破壊された状態の代表的な疾患である増殖性糖尿病性網膜症(PDR)には現在汎網膜光凝固術(Pan-PHC)がその進行阻止に最も有効と考えられ多用されている。そこでF-ERGからみたBRBはPan—PHCの前と後でどうなったかを観察した。Pan-PHCの前後でF-ERGの増強程度に有意差はなく,F静注後1分より10分にかけて0.1%の危険率で正常者群に比し増強されたF—ERGが記録された。これは今までの実験データから考えると(1) FAG上では漏出なく,網膜がdryにみえても漏出がはげしいこと,(2) PDRを来している全身状態のため増強効果をもたらしていること。(3)光凝固の瘢痕を通して脈絡膜循環にあるFからの螢光により視細胞外節が刺激され増強されたERGが記録されていること等の可能性が考えられる。その結論は得ていない。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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