文献詳細
特集 第37回日本臨床眼科学会講演集 (その5)
学会原著
外転神経麻痺に対するadjustable transposition procedure (Carlson & Jampolsky)の治療効果
著者: 高橋洋司1 朝倉章子1 根本加代子1 門脇文子1 熊谷俊一1 今泉利雄1 二宮修也1 田沢豊1
所属機関: 1岩手医科大学医学部眼科学教室
ページ範囲:P.597 - P.602
文献概要
(1)平均眼位改善量は73.3±19.8△,外転改善縫は24.2±8.0度であった。
(2)衝動運動,滑動性追従運動ともに術後は改善を示したが,完全なconjugate move—mentではなかった。
(3)術後の眼位の垂直偏位が4例中2例に,回旋偏位が1例にみられた。
(4) sensory statusの面では.4例中3例に融像と立体視機能が得られ,第1眼位のみであるが両眼単一視も可能となった。
以上の結果は他の手術法による結果の報告と比較し,眼位および外転の改善量ともに本法がやや勝る感を受けた。術後の垂直偏位や回旋偏位の問題点はあるものの,総じて,外転神経麻痺に対する手術療法として,体法の有効性が示唆された。
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