icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科38巻6号

1984年06月発行

特集 第37回日本臨床眼科学会講演集 (その5)

学会原著

外転神経麻痺に対するadjustable transposition procedure (Carlson & Jampolsky)の治療効果

著者: 高橋洋司1 朝倉章子1 根本加代子1 門脇文子1 熊谷俊一1 今泉利雄1 二宮修也1 田沢豊1

所属機関: 1岩手医科大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.597 - P.602

文献概要

 4例の外傷性外転神経麻痺患者に対し,新しい眼筋移植手術法であるadjustabletransposition procedure (Carlson & Jampolsky)を試みた。受傷後7ヵ月以上経過した時点で体法を施行し,術後は6ヵ月から3年にわたる経過観察で以下の結果を得た。
(1)平均眼位改善量は73.3±19.8△,外転改善縫は24.2±8.0度であった。
(2)衝動運動,滑動性追従運動ともに術後は改善を示したが,完全なconjugate move—mentではなかった。
(3)術後の眼位の垂直偏位が4例中2例に,回旋偏位が1例にみられた。
(4) sensory statusの面では.4例中3例に融像と立体視機能が得られ,第1眼位のみであるが両眼単一視も可能となった。
 以上の結果は他の手術法による結果の報告と比較し,眼位および外転の改善量ともに本法がやや勝る感を受けた。術後の垂直偏位や回旋偏位の問題点はあるものの,総じて,外転神経麻痺に対する手術療法として,体法の有効性が示唆された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら