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特集 第37回日本臨床眼科学会講演集 (その5) 学会原著
β—遮断剤の長期点眼による眼底障害
著者: 山下秀明1 小林誉典1 板垣隆1 牧浦正直1 西村哲哉1 宇山昌延1
所属機関: 1関西医科大学眼科
ページ範囲:P.621 - P.626
文献購入ページに移動眼底に変化を認めたものは,8例9眼(6.4%)であり,その中6眼は無水晶体眼で,全無水晶体眼20眼中,20%の発生率であった。残る3眼は投与前より存在していた眼底病変が増強したものであった。眼底の病変は黄斑部の浮腫と混濁で螢光造影ではdark spot拡大とその周囲のmottlingがみられた。電気生理学的には対照群と比べて点眼群ではERG,a波,b波の減弱,EOG, base valueの減弱がみられ,ERG,b波,EOG, base valueの低下は点眼後の期間に比例していた。眼底変化の発生頻度も使用期間と平行する傾向があった。β—遮断剤の長期点眼により眼底黄斑部に変化の生じる可能性がある。とくに無水晶体眼および眼底に病変のある症例に使用する場合は定期的に視力測定,眼底検査を行う必要がある。
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