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特集 第37回日本臨床眼科学会講演集 (その6) 学会原著
CO2レーザーによる緑内障減圧術(trabeculo-trephin)の臨床成績
著者: 寒河江豊1 千代田和正1
所属機関: 1埼玉医科大学眼科
ページ範囲:P.723 - P.727
文献購入ページに移動(2)対象は薬物でのコントロールが不良な緑内障眼21例23眼である。全例で術後6カ月以上経過を観察した。このなかには従来の濾過手術では眼圧のコントロールが困難とされる出血性緑内障が9眼含まれている。
(3)手術方法は従来のtrabeculectomyに準じて行った。術中,強膜弁および濾過孔の作成に,また一部の症例では虹彩切除にもCO2レーザーを使用した。
(4)その結果,23眼中19眼(出血性緑内障9眼中6眼)で眼圧が20mmHg以下にコントロールされ,従来のtrabeculectomyと同等以上の効果が得られた。
(5) CO2レーザーは切開と凝固が同時に行われるため,出血しやすい組織(出血性緑内障の虹彩切除等)の切開に特に有用であった。
(6)強膜・結膜の切開においてもメスでの切開に比較して炎症が少なく,過剰な肉芽形成や瘢痕化が少ない。そのため濾過孔の閉塞がおこりにくく,持続的な濾過効果を期待できた。
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