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特集 第37回日本臨床眼科学会講演集 (その6) 学会原著
網膜脈絡膜萎縮症の臨床的研究—第2報病的近視の黄斑部病変の進展過程
著者: 白神史雄1
所属機関: 1岡山大学医学部眼科
ページ範囲:P.761 - P.766
文献購入ページに移動 病的近視の黄斑部病変の進展過程に関して,マルコフ過程をもとにその病態推移を推計学的に解析した。
(1)40代までは,網膜下血管新生の発生が,重篤な視機能障害をひきおこす病態であるのに対し,40代以後になると,脈絡膜の萎縮性変化が,重篤な視機能障害をひきおこす主たる病態となることを明らかにした。
(2)網膜下血管新生の生じた病変(neovascular maculopathy)では,40代以後,高率に脈絡膜の萎縮性変化が周囲に生じてくることを明らかにした。
(3)びまん性の過螢光像を示す病態を除いて,全体的に,本病変は,より重篤な病態に加齢とともに推移するものと推定した。
今回は,時間を独立変数として扱えるマルロフ過程を応用したが,眼軸長等の他の因子の影響を考慮に入れたモデルの作成が今後の課題であると考えている。
(1)40代までは,網膜下血管新生の発生が,重篤な視機能障害をひきおこす病態であるのに対し,40代以後になると,脈絡膜の萎縮性変化が,重篤な視機能障害をひきおこす主たる病態となることを明らかにした。
(2)網膜下血管新生の生じた病変(neovascular maculopathy)では,40代以後,高率に脈絡膜の萎縮性変化が周囲に生じてくることを明らかにした。
(3)びまん性の過螢光像を示す病態を除いて,全体的に,本病変は,より重篤な病態に加齢とともに推移するものと推定した。
今回は,時間を独立変数として扱えるマルロフ過程を応用したが,眼軸長等の他の因子の影響を考慮に入れたモデルの作成が今後の課題であると考えている。
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