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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科38巻8号

1984年08月発行

文献概要

臨床報告

重度視覚障害児の保護者に対するアンケート調査結果—愛知県内盲学校在籍者について

著者: 唐木剛1 太田一郎2 堀口正之2 三宅三平2 市川宏2 薗部光子3 尾川尚子3 田辺竹彦3

所属機関: 1愛知県心身障害者コロニー中央病院眼科 2名古屋大学眼科学教室 3愛知県心身障害者コロニー中央病院視覚障害訓練室

ページ範囲:P.851 - P.855

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 我々は重度視覚障害児を持つ保護者(盲学校在籍者の父兄)に,アンケート調査を行って結果を検討し,以下の結論を得た。
(1)視覚障害を持つ子供は,比較的早期に発見され眼科を受診しているにもかかわらず,身体障害者手帳の交付には長い期間を要していた。
(2)現在の身体障害者手帳の交付基準は,自覚的検査のできる大人用のもので,小児の特性である視覚の発達を全く考慮していないにもかかわらず,小児にこの大人用の基準を無理に適用しているため,身体障害者手帳の交付が非常に遅れ,重度視覚障害児およびその父兄に多大な不利益を与えている。
(3)我々眼科医は,出生直後から行う定期的な眼科検査を広く普及させ,視覚障害の早期発見に努めるとともに,真の小児のための身体障害者手帳の交付基準を実現させるよう努力しなければならない。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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