文献詳細
文献概要
臨床報告
眼窩転移で発見されたneuroblastomaの1例
著者: 加藤寿江1 馬嶋昭生1 白井正一郎1
所属機関: 1名古屋市立大学医学部眼科学教室
ページ範囲:P.861 - P.865
文献購入ページに移動初診時左眼窩内外側部に弾性硬の腫瘤を触知。CT scanで左眼窩内に大きな腫瘍塊が認められ,尿中V.M.A.は高値を示した。骨髄穿刺で異常細胞が検出され,neuroblastomaと診断された。
抗癌剤の投与で限窩腫瘍は一時縮小傾向がみられたが,その後急速に増大し眼球突出も著明となった。抗癌剤や放射線による治療にもかかわらず全身転移をきたし,初診から約9カ月で死亡した。組織学的にrosette-forming typeのneuroblastomaであり,右副腎にも腫瘍が存在したことから副腎原発ではないかと推定された。本症例は病期分類stage IVに相当し,また年長のため治療に抵抗し不幸な転帰をとったものと考えた。
掲載誌情報