icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科38巻8号

1984年08月発行

文献概要

臨床報告

眼窩転移で発見されたneuroblastomaの1例

著者: 加藤寿江1 馬嶋昭生1 白井正一郎1

所属機関: 1名古屋市立大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.861 - P.865

文献購入ページに移動
 2歳3カ月の女子で,左眼瞼腫脹を主訴として受診し,諸検査の結果,neuro—blastomaの眼窩転移と診断された1例を報告した。
 初診時左眼窩内外側部に弾性硬の腫瘤を触知。CT scanで左眼窩内に大きな腫瘍塊が認められ,尿中V.M.A.は高値を示した。骨髄穿刺で異常細胞が検出され,neuroblastomaと診断された。
 抗癌剤の投与で限窩腫瘍は一時縮小傾向がみられたが,その後急速に増大し眼球突出も著明となった。抗癌剤や放射線による治療にもかかわらず全身転移をきたし,初診から約9カ月で死亡した。組織学的にrosette-forming typeのneuroblastomaであり,右副腎にも腫瘍が存在したことから副腎原発ではないかと推定された。本症例は病期分類stage IVに相当し,また年長のため治療に抵抗し不幸な転帰をとったものと考えた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら