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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科38巻8号

1984年08月発行

文献概要

臨床報告

調節・輻輳障害を有する眼精疲労患者に対する融像幅増強訓練の効果

著者: 若倉雅登1 三柴恵美子2

所属機関: 1北里大医学部眼科 2上都賀総合病院眼科

ページ範囲:P.897 - P.902

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 器質的疾患が否定され,屈折異常による因子が除外された眼精疲労患者12例(平均32.9歳)に対し,調節および輻輳検査が行われた。その結果調節衰弱もしくは不全と輻輳障害を合併した9例(A type)と輻輳障害のみの3例(B type)に分類された。輻輳障害は輻輳近点延長以外に,シノプトフォアによる検査で融像幅低下がほぼ全例にみられた。また融像性輻輳の壊れるbreak pointのかなり前に指標がぼける点(blur point)を自覚する例がA typeに6例,B typeに1例,合計7例あった。全例に融像幅増強訓練を施行したところ,break pointならびにblur pointがプラス側に拡大するとともに輻輳近点の改善が全例に認められ,調節障害の改善が89%に,自覚症状の改善が75%に認められた。輻輳および調節障害を有する眼精疲労患者に対して融像性輻輳を刺激する訓練は臨床的に有用な方法と考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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