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臨床報告
網膜剥離を伴う糖尿病性網膜症眼の硝子体手術成績—2.視力不良眼の検討
著者: 安藤文隆1 三宅養三1 松浦雅子1 太田一郎1 松浦正司2
所属機関: 1名古屋大学医学部眼科学教室 2名古屋大学医学部麻酔学教室
ページ範囲:P.965 - P.969
文献購入ページに移動EER不良群に視力改善例が少なく,また剥離網膜の復位しなかったものが多かった。術前施行された汎網膜光凝固のうち,argon laserによる症例群で予後不良例の割合が多かった。
さらに予後不良例を術中裂孔形成と視神経萎縮様外観を呈した群で検討したところ,術中裂孔形成はEER不良眼に多く,術後視神経障害はargon laserによる汎網膜光凝固を受けた眼に有意に多かった。そしてこれに対する星状神経節ブロック療法は無効であった。術前argon laserによる汎網膜光凝固施行眼で,術後視力を回復した症例は全て黄斑部非剥離眼であった。
このことから,EER不良眼では術中の網膜裂孔形成に細心の注意を払う必要があること,argon laserによる汎網膜光凝固施行眼では,硝子体手術は網膜剥離が黄斑部に及ぶ前に行われた方がよいことが示唆された。
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