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眼科諸流派の秘伝書(33)
著者: 中泉行信1 中泉行史1 斎藤仁男1
所属機関: 1研医会
ページ範囲:P.998 - P.999
文献購入ページに移動わが国の中世末より近世初めにかけては実地医術の勃興で,多くの眼科流派が現れ,その各々が秘伝主義を固執し,自己の一流一派を競い,数多くの伝書を作成した。それらの内容はもとより中国(明代)の眼科をもとに和漢文にて書かれたもので,原著は人体限られていた。しかしこれが個々に師から門人へあるいは親から子に伝えられる段階で,その重要部分は口伝,口授の方法がとられたために,そこに流派が興り,秘伝書が作られた。そのの重要部分を示す箇処には"口伝有之可秘"としるされた。この「眼療秘伝書」もこうしたしるしが何箇処もあるいわゆる秘伝書とみられるもので,当時の社会的必要が生んだ実地眼科医術書の一つとみることができる。
この秘伝書は29葉全1冊(23.5×16. 5 cm)よりなり,和文の記載で,初めに眼目五輪八廓説,五輪之図,八廓之図,五輪所属主病之図,八廓所属主病之図を掲げ,次に眠病図入療治法,入薬,洗薬方等の順に述べられている。
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