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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科39巻1号

1985年01月発行

文献概要

臨床報告

網膜剥離を発症したbattered child syndromeの1例

著者: 本多文夫1 馬嶋昭生1 橋本勝2

所属機関: 1名古屋市立大学医学部眼科学教室 2愛知県厚生連加茂病院

ページ範囲:P.19 - P.23

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 白色瞳孔を呈したbattered child syndromeの1例を報告した.症例は4歳の女子で左眼に虹彩炎,前嚢下白内障,全網膜剥離による白色瞳孔がみられ,右眼は下耳側から下鼻側にかけて周辺部に強い網脈絡膜萎縮が認められた.これらの眼症状はいずれも反復して受けた鈍的外傷が原因と考えられ,battered child syndromeが疑われた.家庭環境を調査した所,母親による虐待を1歳半頃から受けていたことが明らかになった.眼科医は原因が曖昧な外傷が疑われる幼児の眼異常を発見した場合には本症候群の存在を念頭におき,重篤な障害を残す可能性を考え,児童相談所および福祉事務所に連絡して調査すべき責任がある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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