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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科39巻1号

1985年01月発行

文献概要

臨床報告

偽落屑症候群の硝子体螢光測定

著者: 塚原陽子1 小椋祐一郎1 斎藤伊三雄1 近藤武久1

所属機関: 1神戸市立中央市民病院眼科

ページ範囲:P.29 - P.31

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 偽落屑症候群(pseudoexfoliation (PE) syndrome)におけるPE物質の沈着は,前眼部のみならず眼瞼結膜下,眼窩内にも認められ,Eagleら(1971)により"basementmembrane exfoliation syndrome"という概念が提唱されている.PE症候群においては血液房水関門等前眼部の血液眼関門の透過性亢進の存在が証明されているので,われわれは血液網膜関門等後眼部の血液眼関門の障害の有無を検討した.
 神戸市立中央市民病院眼科でPE症候群と診断された8例15眼にvitreous fluorophoto-metryを施行し,以下のような結果を得た.
(1) PE症候群と診断された8例は,いずれも57歳以上で,高齢者に多かった.
(2) PE症候群と対照群のvitreous fluorescein levelには統計学的有意差は認められなかった.
(3) PE症候群の緑内障障合併の有無は,vitreous fluorescein levelには影響を与えなかった.
 以上の結果から,PE症候群にみられる血液眼関門(blood-ocular barrier)の障害は,主として血液房水関門(blood-aqueous barrier)等前眼部血液眼関門に限局しているものと推論された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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