文献詳細
臨床報告
文献概要
偽落屑症候群(pseudoexfoliation (PE) syndrome)におけるPE物質の沈着は,前眼部のみならず眼瞼結膜下,眼窩内にも認められ,Eagleら(1971)により"basementmembrane exfoliation syndrome"という概念が提唱されている.PE症候群においては血液房水関門等前眼部の血液眼関門の透過性亢進の存在が証明されているので,われわれは血液網膜関門等後眼部の血液眼関門の障害の有無を検討した.
神戸市立中央市民病院眼科でPE症候群と診断された8例15眼にvitreous fluorophoto-metryを施行し,以下のような結果を得た.
(1) PE症候群と診断された8例は,いずれも57歳以上で,高齢者に多かった.
(2) PE症候群と対照群のvitreous fluorescein levelには統計学的有意差は認められなかった.
(3) PE症候群の緑内障障合併の有無は,vitreous fluorescein levelには影響を与えなかった.
以上の結果から,PE症候群にみられる血液眼関門(blood-ocular barrier)の障害は,主として血液房水関門(blood-aqueous barrier)等前眼部血液眼関門に限局しているものと推論された.
神戸市立中央市民病院眼科でPE症候群と診断された8例15眼にvitreous fluorophoto-metryを施行し,以下のような結果を得た.
(1) PE症候群と診断された8例は,いずれも57歳以上で,高齢者に多かった.
(2) PE症候群と対照群のvitreous fluorescein levelには統計学的有意差は認められなかった.
(3) PE症候群の緑内障障合併の有無は,vitreous fluorescein levelには影響を与えなかった.
以上の結果から,PE症候群にみられる血液眼関門(blood-ocular barrier)の障害は,主として血液房水関門(blood-aqueous barrier)等前眼部血液眼関門に限局しているものと推論された.
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