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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科39巻1号

1985年01月発行

文献概要

臨床報告

散瞳剤点眼による外眼部アレルギー反応

著者: 友田隆子1 岸本伸子1 井口伸子1 宇山昌延1 西嶋摂子2 河村甚郎2

所属機関: 1関西医科大学眼科学教室 2関西医科大学皮膚科学教室

ページ範囲:P.57 - P.61

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 最近1年間に散瞳剤点眼後に,眼瞼,結膜にアレルギー症状をきたした症例を15例経験した.当科では眼底検査所見の散瞳に,ミドリンP®(以後My.Pとする)とネオシネジン®(以後Necs.とする)の点眼を併用していた.この15例中My.Pのみにアレルギー症状を示したものが6例,My.PとNeos.の両方にアレルギー症状を示したものが9例あった.Neos.のみにアレルギー症状を示したものはなかった.
 前者は瞼結膜球結膜の充血を主症状とし,眼瞼には反応をみなかった.皮膚パッチテストにより,防腐剤として含まれている塩化ベンザルコニウムが原因と考えられた.後者は眼瞼の発赤腫脹をきたし,結膜の反応は軽く眼瞼に主症状があり,皮膚パッチテストより,主成分である塩酸フェニレフリンが原因と考えられた.
 散瞳剤の点眼は頻用され,その結果経結膜的に感作される機会がふえているため,今後このようなアレルギー症状を示す症状はさらに増加すると予測される.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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