文献詳細
臨床報告
文献概要
手術による復位に失敗した自験網膜剥離眼19例の経過観察の中から,最終手術後1年以上して,自然に網膜が復位した2症例を経験したので報告した.この復位は,残存硝子体の前方移動に伴う網膜牽引の解除によると思われたが,過去のこの種の自然復位(網膜下液の術後吸収遅延ではない)の報告をも調べ,たとえ復位が得られなくとも,網膜裂孔が閉じてさえすれば,長期的に観察していると,網膜が自然に復位する両可能性があることを述べた.もちろん,剥離が長期にわたれば,復位しても視機能の改善に多くを期待できないが.
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