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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科39巻10号

1985年10月発行

文献概要

臨床報告

黄斑部の網膜剥離を来たした先天性網膜動静脈吻合症の1例

著者: 松島正史1 金井清和1 宇山昌延1 浜田幸子1

所属機関: 1関西医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.1237 - P.1240

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 片眼の眼底後極部に存在した先天性網膜動静脈吻合症で,中心性漿液性網脈絡膜症様の扁平な漿液性網膜剥離が黄斑部に発生した1例を経験した.症例は53歳男性で急に発生した中心暗点を訴えた.
 乳頭に近い耳上方の動脈の本幹部にソーセージ様の拡張と絞扼がみられ,耳上方と耳下方の静脈は強く拡張していた.
 螢光造影により,黄斑部周囲の3カ所に小血管を介する網膜動静脈吻合を認め,Archerの分類のI群と判断した.吻合部血管の1カ所から血管外漏出があり,それが網膜剥離の原因と判断された.
 特に積極的治療は行わなかったが,約4カ月の経過で,血管壁が自然に修復されて,血管外漏出がとまり,網膜剥離は消褪した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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