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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科39巻11号

1985年11月発行

文献概要

臨床報告 カラー臨床報告

両眼性脈絡膜骨腫の家族例

著者: 青木順一1 宮下浩平2

所属機関: 1群馬大学医学部眼科学教室 2独協医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.1311 - P.1318

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 両眼性に発症した典型的な脈絡膜骨腫choroidal osteomaを,24歳女子と26歳の姉に観察し,さらにこの姉妹の49歳の父の両眼に,乳頭鼻側から黄斑部下方にかけて,広い帯状の網脈絡膜萎縮に脈絡膜骨腫が混在すると推定される病巣を観察した.また,これら3症例のすべてに,梨子地眼底として形容できる,周辺部眼底にびまん性に網膜背景の黄褐色の不透明化と,不規則な斑状の色素増殖が見られた.
 脈絡膜骨腫がこのような家族内発症をしたことは,本症が常染色体優性遺伝をしていると解釈された.また,梨子地眼底が眼底周辺部に起こることは,脈絡膜骨腫の前段階ないしはその素地となっている変化であり,脈絡膜骨腫の診断ならびに発症機転の解明に重要な意味を持つ所見であると判断された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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