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臨床報告
網膜静脈分枝閉塞症の自然経過と視力予後
著者: 綾木雅彦1 桂弘1
所属機関: 1慶応義塾大学眼科
ページ範囲:P.1347 - P.1351
文献購入ページに移動 網膜静脈分枝閉塞症53例54眼に対して光凝固,線溶療法,抗凝固療法を施行せずに視力予後の検討を行い,以下のごとき結論を得た.
(1)最終視力は0.1以下が9眼(17%),0.2以上0.4以下が12眼(22%),0.5以上0.7以下が11眼(21%),0.8以上が22眼(40%)であった.
(2)高齢者,中心窩周囲毛細血管網の障害が1/2周以上,黄斑部浮腫のある症例では最終視力が不良である傾向が認められた.
(3)最終視力0.1以下の症例には経過中視力に大きな変動は認められなかった.一方,最終視力0.8以上の症例の中には発症後2カ月以内に一時的な視力低下を示す例が多く認められたことから,発症初期の視力不良例の視力予後の予測は難しいと考えられた.また,少なくとも発症後3カ月以上経過観察をしなければ視力の自然改善の有無は判断できない場合が多く,したがって,視力改善を目的とした早期の光凝固の適応は慎重に決定すべきであると考えた.
(1)最終視力は0.1以下が9眼(17%),0.2以上0.4以下が12眼(22%),0.5以上0.7以下が11眼(21%),0.8以上が22眼(40%)であった.
(2)高齢者,中心窩周囲毛細血管網の障害が1/2周以上,黄斑部浮腫のある症例では最終視力が不良である傾向が認められた.
(3)最終視力0.1以下の症例には経過中視力に大きな変動は認められなかった.一方,最終視力0.8以上の症例の中には発症後2カ月以内に一時的な視力低下を示す例が多く認められたことから,発症初期の視力不良例の視力予後の予測は難しいと考えられた.また,少なくとも発症後3カ月以上経過観察をしなければ視力の自然改善の有無は判断できない場合が多く,したがって,視力改善を目的とした早期の光凝固の適応は慎重に決定すべきであると考えた.
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