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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科39巻2号

1985年02月発行

文献概要

特集 第38回日本臨床眼科学会講演集 (その1) 学会原著

裂孔原性網膜剥離発生頻度の経年変化—和歌山県北部における5年間の調査

著者: 吉村利規1 田中康裕 福田富司男2

所属機関: 1和歌山県立医科大学眼科学教室 2和歌山赤十字病院眼科

ページ範囲:P.153 - P.156

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 和歌山県北部の人口66万8千人の地域で,1979年から5年間に,網膜剥離の手術を行っていた3施設で,合計345名357眼の裂孔原性網膜剥離を経験した.
(1)発生率は人口10万人当たり年平均10.33となった.年による発生率は8.42から11.64となったが,5%の危険率で有意な差はみられなかった.
(2)無水晶体眼性のものは13.4%,外傷性のものは9.6%となり,黄斑円孔によるものは10.9%となった.
(3)年齢階級別の発生頻度を調べると,男性では,最高60歳台の49.1人,女性では65歳台の37.4となった.
(4)50歳未満では4.93,50歳以上では25.35となった.
(5)外傷性を除いた特発性のものは,全体で9.39となり,イスラエルの報告と差はなかった.
(6)人口構成より補正すると,和歌山県北部の裂孔原性網膜剥離の発生頻度は,人口10万人当たり9.79,特発性のものは8.76となった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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