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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科39巻2号

1985年02月発行

文献概要

特集 第38回日本臨床眼科学会講演集 (その1) 学術展示

角膜移植後拒絶反応に対するCyclosporin Aの使用

著者: 森林淑江1 広松正児1 水落笙子1 谷島輝雄1 増田寛次郎2

所属機関: 1東京大学医学部眼科学教室 2東京大学医学部分院眼科

ページ範囲:P.192 - P.193

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 緒言 Cyclosporin Aは,臓器移植における拒絶反応の抑制に著明な効果を持つことが明らかにされ,腎移植,肝移植,骨髄移植,心臓移植等に使用されている1).今回,我々は角膜移植後の拒絶反応に対して本薬剤の内服療法を行ったので,結果を報告する.
 症例 31歳男性.原疾患は円錐角膜である.過去2回,他院にて左全層角膜移植術を受けるも,移植片は混濁した.1983年4月左全層角膜移植術を行ったが,術後10日目に拒絶反応を起こし,ステロイドホルモンの内服・点眼・結膜下注射を行ったが,移植片は混濁した.1984年3月,左再手術を行い,翌日よりPrednisolone20mgの内服を開始した.術後14日に拒絶反応が生じたため,Prednisolone 30mgに増量,Betamethasoneの結膜下注射,点眼を行ったが,拒絶反応が軽快しないため,Cyclosporin A 10mg/kg/日内服を開始した.Cyclosporin A内服後,経時的に腎機能測定,血算,血液生化,尿検,リンパ球機能検査を行い,更に血中のCyclosporin A濃度を測定した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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