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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科39巻2号

1985年02月発行

文献概要

臨床報告

妊娠中・後期における下垂体腺腫—血中ホルモン値と視野変化

著者: 本田孔士1 高橋晃2

所属機関: 1京都大学医学部眼科学教室 2京都大学婦人科学・産科学教室

ページ範囲:P.195 - P.198

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 プロラクチン産生下垂体腫の19症例,20回の妊娠中の視野を1,2カ月ごとに検査し,8/20回(40%)に欠損の新たなる出現または欠損の拡大を認めた.一方,同患者の血中プロラクチン値は最初の2〜10週で急激に上昇した後,平衡に達し,以後変動しにくく,最も大切な妊娠中・後期に下垂体の動態を知る有力な指標となりえないことがわかった.このことから,上記患者の妊娠中の下垂体の動態は,血中ホルモン値の小康をもって安心することなく,視野検査の繰返しによって追求されるべきで,欠損の拡大が急なる時は,麦角アルカロイドbromocriptine投与を行って,後に不可逆的病変を残すことのないよう努力すべきである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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