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臨床報告
網膜静脈分枝閉塞症の増殖性病変—103眼の臨床的特徴と光凝固予後に影響する因子
著者: 竹田宗泰1 木村早百合1
所属機関: 1札幌医科大学眼科
ページ範囲:P.211 - P.216
文献購入ページに移動 最近10年間に札幌医大眼科で網膜静脈分枝閉塞症による新生血管を合併し光凝固を受けた103眼を対象として,新生血管の臨床的特微と光凝固効果を閉塞部位別に検討した.
(1)新生血管発生部位は耳側主要分枝閉塞群で50%が乳頭部に見られた.しかし周辺側分枝群では1例を除きすべて網膜面であった.
(2)光凝固効果は経過観察を行った全例98眼中,新生血管完全消失49%,部分退縮46%,不変5%であった.閉塞部位別に見ると新生血管の消失あるいは縮小では周辺側分枝群で100%,耳側主要分枝群で92%であった.硝子体出血頻度では周辺側分枝群術前74%から術後13%,耳側主要分枝群術前47%から術後24%であった.視力維持,改善は周辺側分枝群93%,耳側主要分枝群85%で全体的に静脈閉塞部位により治療効果が異なる.
(3)光凝固の予後不良の因子として①耳側主要分枝閉塞群②乳頭部新生血管③光凝固不十分の例④牽引性網膜剥離などがあげられる.
(1)新生血管発生部位は耳側主要分枝閉塞群で50%が乳頭部に見られた.しかし周辺側分枝群では1例を除きすべて網膜面であった.
(2)光凝固効果は経過観察を行った全例98眼中,新生血管完全消失49%,部分退縮46%,不変5%であった.閉塞部位別に見ると新生血管の消失あるいは縮小では周辺側分枝群で100%,耳側主要分枝群で92%であった.硝子体出血頻度では周辺側分枝群術前74%から術後13%,耳側主要分枝群術前47%から術後24%であった.視力維持,改善は周辺側分枝群93%,耳側主要分枝群85%で全体的に静脈閉塞部位により治療効果が異なる.
(3)光凝固の予後不良の因子として①耳側主要分枝閉塞群②乳頭部新生血管③光凝固不十分の例④牽引性網膜剥離などがあげられる.
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