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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科39巻3号

1985年03月発行

文献概要

特集 第38回日本臨床眼科学会講演集 (その2) 学会原著

Proliferative vitreoretinopathy手術におけるbuckleの役割

著者: 松下卓郎1 清水昊幸1

所属機関: 1自治医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.257 - P.260

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 Membrane peeling手技を用いて手術した赤道部裂孔によるproliferativevitreoretinopathy (PVR)においてのbuckleの役割の評価をするため,自験対象例を2群に分け検討した.硝子体手術単独群8例8眼は既存のbuckleには手をつけず,裂孔閉鎖を眼内冷凍凝固とair tamponadeのみで行った.一方,Buckle併用群14例14眼は硝子体手術と同時に裂孔閉鎖のためのbuckleとencirclingを確実なものに置き換えたものである.硝子体手術単独群8眼のうち復位は1眼のみ(治癒率13%),であり,7眼はairが抜けると再剥離した.裂孔周辺側の牽引が取りきれなかったためと考えられる.それに対して,buckle併用群の14眼では9眼が復位し(治癒率64%),非復位例は裂孔不明など5眼であった.赤道部裂孔によるPVRにおいては,硝子体側からの牽引をvitrectomy単独で除去できる保証はなく,強膜側からのbuckleによる牽引除去は治癒に導く不可欠の要素と考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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