icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科39巻3号

1985年03月発行

文献概要

特集 第38回日本臨床眼科学会講演集 (その2) 学会原著

順天堂大学伊豆長岡病院新生児集中治療室(NICU)における未熟児網膜症の現状およびその予防について

著者: 稲垣有司1 田中稔1 加藤和男1 中島章1 本多節2 柴田隆3

所属機関: 1順天堂大学眼科 2国立東静病院眼科 3順天堂伊豆長岡病院NICU

ページ範囲:P.265 - P.270

文献購入ページに移動
 順天堂伊豆長岡病院新生児集中治療室,(NICU)で,1982年4月の開設より1983年12月までに管理された低出生体重児217例中40例(18.4%)に未熟児網膜症が発症し,1例両眼4度の瘢痕となった.1983年度の静岡県東部地区(芝川町・富士宮市を除く)における発症率は,約0.25(32/13,000)%であった.
 出生体重1,500〜1,999gにもかかわらず,特発性呼吸窮迫症候群(IRDS)および無呼吸発作にて挿管を行った症例は高率(54.5%)に発症しており,これらの症例は1,500g未満と同様に注意深くfollow upする必要があると考えられた.
 超未熟児己(1,000g未満)の新生児死亡率が低下し,超未熟児の占める割合が7%(15/217)と増加したが,混合型Ⅱ型の発症率に増加傾向はなかった.低出生体重児の母親の約半数が,流早産の既往あるいは今回の妊娠経過の異常を伴っていたことから,未熟児出生の予防のためにもこのような状態にある妊婦に対する妊娠中の異常の早期発見,早期治療に関する啓蒙の必要性を感じた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?