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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科39巻3号

1985年03月発行

文献概要

特集 第38回日本臨床眼科学会講演集 (その2) 学会原著

超未熟児における網膜症の進行に関与する全身諸因子の検討

著者: 加藤寿江1 馬嶋昭生1 鎌尾憲明1 田中純子1

所属機関: 1名古屋市立大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.271 - P.275

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 1975年1月から1983年12月までに名市大末熟児病棟(NICU)で管理された低出生体重児は525例であり,このうち多胎児を除いた超未熟児は37例(7.0%)であった.これら超未熟児を対象として網膜症の発生・進行と全身諸因子との関連性について検討し,以下の結果を得た.
(1)名市大NICUでは1975年〜1977年と比べ,1978年以降超未熟児が増加している.
(2)超未熟児では網膜症発生率は100%である.
(3)超未熟児の増加に伴って,重症網膜症も増加している.
(4)網膜症の進行は,酸素投与期間および交換輸血以外の全身諸因子とは関連性はない.
(5)進行度は児の個体差が大きく関与し,全身状態のみからでは進行を推定することは困難である.
(6)失明防止のためには,早期からの厳重な眼科的管理,適切な治療が必要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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