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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科39巻3号

1985年03月発行

特集 第38回日本臨床眼科学会講演集 (その2)

学会原著

網膜芽細胞腫のレクチン結合部の組織細胞化学的検討

著者: 秋山理津子1 小林修1 馬詰良比占1 徳田久弥1 箕田健生2 高田邦昭3 平野寛3

所属機関: 1杏林大学医学部眼科学教室 2東京都立養育院眼科 3杏林大学医学部解剖学教室

ページ範囲:P.277 - P.282

文献概要

 特定の糖構造と特異的に結合する糖結合蛋白であるレクチンを用いて,網膜芽細胞腫におけるレクチン結合パターンを,光顕ならびに電顕下で,組織細胞化学的に検索し,正常家兎網膜およびヒト網膜の場合と比較検討した.
 正常家兎網膜では,peanut agglutinin (PNA)は杆錐体層,外顆粒層,Ricinus communisagglutinin (RCA)は外顆粒層.内境界膜,神経線維層,wheat germ agglutinin (WGA)は杆錐体層,concanavalin A (ConA)は全層にわたってそれぞれ反応陽性であった.
 正常ヒト網膜では,WGAは杆錐体層に強陽性,ConAは全層にわたり陽性反応を呈した.
 網膜芽細胞腫では分化型,未分化型共にWGAとConAとが陽性であった.ロゼット形成細胞では,組胞膜に反応陽性であり,特にロゼット中心に一致して強陽性であった.
 以上の結果から,特にWGAを用いた場合.網膜芽細胞腫と視細胞に共通の糖鎖構造が存在することが示唆された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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