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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科39巻3号

1985年03月発行

文献概要

特集 第38回日本臨床眼科学会講演集 (その2) 学会原著

人眼ERP(Early Receptor Potential)の臨床的研究—第16報二,三の眼疾患における単色閃光ERP所見

著者: 玉井嗣彦1 和田秀文1 北川康介1 割石三郎1 上野脩幸1 野田幸作1 岸茂1 豊田英治1 伊与田加寿1 竹村恵1 佐々木徹1 内田邦子1

所属機関: 1高知医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.293 - P.298

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(1)赤色盲(12歳,男性)の場合,緑色,青色閃光ERPには一正常者と比べて有意の振幅変化はみられなかったが,赤色閃光ERPにおいて明らかな振幅(R1-R2)の減弱がみられた.緑色盲(6歳,男性)の場合には,赤色,青色閃光ERPには有意の変化はみられなかったが,緑色閃光ERPにおいて明らかな振幅の減弱がみられた.
(2)錐体ジストロフィー(25歳,女性)の場合,赤色,緑色,青色の各閃光ERPにおいて,著しい振幅の減弱が観察された.
(3)網膜色素変性症(65歳,女性)の場合,ERGはnonrecordableであったが,いわゆる"dissociation phenomenon"として,赤色,緑色,青色の各閃光ERPは減弱を示すものの認められた.
(4)これより,視細胞外節レベルでの錐体機能障害の把握にこの種の単色閃光ERPは有用であると思われる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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