文献詳細
文献概要
文庫の窓から
眼科諸流派の秘伝書(39)
著者: 中泉行信1 中泉行史1 斉藤仁男1
所属機関: 1研医会
ページ範囲:P.386 - P.387
文献購入ページに移動古写本の眼科秘伝書には書名がない場合が多く,記述の内容も眼目論(病論),薬性論,眼目見様之次第,能毒,禁忌,好物および薬物処方等を挙げているのが通例であるが,すべてこのパターンというわけではない.こうしたところが古写本眼科秘伝書の特徴の一つであろうか,序論,本論,各論といった順序で記述されている成書と異なっている.つまり秘伝書は理論より実地を重視して述べられているものが多く,掲出の秘伝書もそうした類のものである.
本書はその末尾に"寛文八年申暦二月廿一日,観弘書之"と識されているのみで,何れの流派の眼科を伝えたものか明らかでないが,この頃の眼科を伝えたものと思われる.
掲載誌情報