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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科39巻4号

1985年04月発行

文献概要

特集 第38回日本臨床眼科学会講演集 (その3) 学術展示

硝子体螢光測定による糖尿病性網膜症の臨床的研究—第2報 インスリン治療の血液網膜柵に及ぼす影響

著者: 安藤伸朗1

所属機関: 1新潟大学医学部眼科

ページ範囲:P.510 - P.511

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 糖尿病性網膜症は,糖尿病における高血糖を含む代謝異常の結果惹き起こされるということは周知の事実である.よって糖尿病治療は厳格な血糖調節が原則である.一方,長期間調節不良の糖尿病患者に,インスリン投与により急速な血糖正常化をはかると,網膜症の増悪がみられるという事例が最近数多く報告されている1〜3).糖尿病治療に際し,血糖の正常化は第一目標であるが,そのために網膜症を悪化させてはならない.しかし,そのための最良の血糖調節法は確立されていないのが現状である.今回,この問題の解決のための一手段として,硝子体螢光測定(vitreous fluorophotometry:以下VFPと略す)を用いてインスリン治療の血液網膜柵に与える影響について検討した.
 VFP値の測定は既に報告したが4),Xanar fluorophoto-meter modal 120を用い,フルオレセイン色素静注前,静注後1時間でVFP値の測定,フルオレセイン静注量は7mg/kgである.静注1時間後に得られた,二峰性の螢光曲線の前後のピークの中間点のVFP値から,静注前の同位置のVFP値(水晶体自発螢光によるspreadfunction)を除したものをVFP値と定めた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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