文献詳細
臨床報告
文献概要
1976年から1981年までの6年間に経験したコンベンショナルな網膜剥離手術の不治18症例,19眼について検討した.その中には,現在の硝子体手術の技法をもってすれば復位せしめえたであろうと考えられるものが10例あった.その他,手術拒否による不治,手術すべきでなかった続発性剥離に手をつけた不成功が1例,重症の脈絡膜剥離のため途中で治療を断念したものが2例,復位手術不成功ながら約1年後に網膜が自然復位した2例,全身状態の悪化から眼科手術が不可能になった1例などがあった.これらの不治例には術前の視機能の悪いものが多かったが,硝子体手術を合わせれば非常に高率の網膜復位が可能となった現在,術後の視機能をより高く保つ術式の開発と選択,その見透しに基づいて手術の適応をいう時代に来ているとの考えを述べた.
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