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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科39巻5号

1985年05月発行

文献概要

特集 第38回日本臨床眼科学会講演集 (その4) 特別講演

近視眼のvitreo-retino-ciliary barrier

著者: 保坂明郎1

所属機関: 1旭川医科大学眼科

ページ範囲:P.569 - P.578

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(1)わが国ではもちろん,近年,世界中で近視が増加している.とくに若年者に増えているのは,おそらく近業に関係があると推定される.
(2)増えているのは軽度ないし中等度の近視であって,強度近視とは別物とする意見もある.しかし今回の成績から,近視の本態を2種類に区別することは不自然であるといえる.
(3)電気生理学的ならびに病理学的に,近視の毛様体,脈絡膜の障害が示されている.
(4)近視度ともっとも密接に関係するのは,硝子体腔の延長であって,このことは強度近視のみでなく,軽度近視にもみられる事実がある.
(5) vitreous fluorophotometryによって,近視における血液毛様体柵の障害が初めて明らかにされた.これは近視の程度ときわめてよく相関し,近視の初発症状と思われる.
(6)血液毛様体柵の障害が何故起こるのか不明であるが,その引き金となるのは持続調節であることが推定される.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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