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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科39巻5号

1985年05月発行

文献概要

特集 第38回日本臨床眼科学会講演集 (その4) 学会原著

先天性第3色盲不完全型の一家系

著者: 市川宏1 三宅養三1 市川一夫2

所属機関: 1名古屋大学眼科学教室 2社会保険中京病院眼科

ページ範囲:P.579 - P.583

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 我々は先に先天性第3色盲の一家系例を報告したが,今回更に先天性第3色盲不完全型の一家系を経験し,本症の特性をより明らかにすることができたのでここに報告する.
 この家系には発端者(女性)とその父,妹の3名の不完全型第3色盲患者があり,常染色体優性遺伝を認めた.この家系内に視神経疾患をもつ患者は見いだされなかった.
 家系内の第3色盲患者はすべて良い視力をもち,調べえた範囲で眼疾もなく,色覚検査で赤緑色覚異常を伴わない純粋な第3色覚異常所見を示した.
 発端者について,ERG検査ではnormal responseを示したが,黄色背景光下のblueERGはnonrecordableであった.心理物理的検査としてスベクトル比視感度と,Waldの選択色順応法による錐体の分離と二色閾値法(tvi曲線)とTransient Tritanopia Effectの測定を行い,tvi曲線で青錐体系がわずかに機能している以外完全型第3色盲と同じように青錐体系が機能していない結果を得た.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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