文献詳細
特集 第38回日本臨床眼科学会講演集 (その4)
学会原著
文献概要
高度の視力障害,羞明,先天性眼球振盪を伴った強度の色覚異常を有する兄妹について検索した.
両症例の視力は両眼ともに0.1(0.1)であったが,眼底には異常がみられなかった.各種色覚検査表で強度異常が示され,色相配列検査では赤緑異常様のパターンを呈した.
兄の4°部位における暗順応下スペクトル感度からはCIE暗所視比視感度類似の反応が得られた.また,中心部位における白色順応下スペクトル感度測定の結果,錐体系の反応が得られたが.正常者と比較し長波長側で感度の低下がみられた.しかしながら,第1色弱例のものよりは長波長側で感度は良好であった.Rayleigh均等において赤-緑の混色目盛りは赤側に移行がみられたが,単色目盛りは第1色弱と比較し大きな値を呈した.
以上の結果から,本症例は杆体系および錐体系の反応を有するものの,特に赤および緑錐体の視色素のoptical densityの減少によるincomplete achromatopsiaの一種と推察した.
両症例の視力は両眼ともに0.1(0.1)であったが,眼底には異常がみられなかった.各種色覚検査表で強度異常が示され,色相配列検査では赤緑異常様のパターンを呈した.
兄の4°部位における暗順応下スペクトル感度からはCIE暗所視比視感度類似の反応が得られた.また,中心部位における白色順応下スペクトル感度測定の結果,錐体系の反応が得られたが.正常者と比較し長波長側で感度の低下がみられた.しかしながら,第1色弱例のものよりは長波長側で感度は良好であった.Rayleigh均等において赤-緑の混色目盛りは赤側に移行がみられたが,単色目盛りは第1色弱と比較し大きな値を呈した.
以上の結果から,本症例は杆体系および錐体系の反応を有するものの,特に赤および緑錐体の視色素のoptical densityの減少によるincomplete achromatopsiaの一種と推察した.
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