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特集 第38回日本臨床眼科学会講演集 (その4) 学会原著
特異な色覚異常を呈した兄妹
著者: 神立敦1 北原博1 北原健二1
所属機関: 1東京慈恵会医科大学
ページ範囲:P.585 - P.588
文献購入ページに移動両症例の視力は両眼ともに0.1(0.1)であったが,眼底には異常がみられなかった.各種色覚検査表で強度異常が示され,色相配列検査では赤緑異常様のパターンを呈した.
兄の4°部位における暗順応下スペクトル感度からはCIE暗所視比視感度類似の反応が得られた.また,中心部位における白色順応下スペクトル感度測定の結果,錐体系の反応が得られたが.正常者と比較し長波長側で感度の低下がみられた.しかしながら,第1色弱例のものよりは長波長側で感度は良好であった.Rayleigh均等において赤-緑の混色目盛りは赤側に移行がみられたが,単色目盛りは第1色弱と比較し大きな値を呈した.
以上の結果から,本症例は杆体系および錐体系の反応を有するものの,特に赤および緑錐体の視色素のoptical densityの減少によるincomplete achromatopsiaの一種と推察した.
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