文献詳細
特集 第38回日本臨床眼科学会講演集 (その4)
学会原著
文献概要
象兎にビトレクトミーを行い,BSS液で硝子体腔を満たし液化硝子体を人工的に形成すると.部分後部硝子体剥離が生じた.硝子体剥離は全例共硝子体皮質内で起こり,内境界膜直上から起こった例は無かった.硝子体皮質に液化硝子体の流入路としての裂孔形成が無かった事から,硝子体剥離の発生機序として,まず液化硝子体が必要条件であるが,硝子体皮質の裂孔形成は必要ではないと考えられた.液化硝子体のみが主因となって誘発する後部硝子体の可能性が論議された.一般に硝子体皮質のコラージェン層は,網膜面に層状に配列されている事が後部硝子体剥離を引き起こす基本構造のようであった.
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