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特集 第38回日本臨床眼科学会講演集 (その4) 学会原著
緑内障性視神経乳頭の循環動態(続報)—眼圧変動時の検討
著者: 関伶子1 岩田和雄1
所属機関: 1新潟大学医学部眼科学教室
ページ範囲:P.627 - P.632
文献購入ページに移動(1)充盈欠損は①眼圧上昇時と下降時で質的,量的に差はなく,②既存のNFL欠損に一致する陥凹底内にのみみられ,③NFL欠損がわずかに存在しても陥凹拡大のない例や,NFL欠損の存在しない例ではみられなかった.
(2)螢光漏出は①網目状血管と集合小静脈にみられ,②眼圧上昇で発生し,下降に伴い減少または消失した.③網目状血管からの漏出は陥凹底内のNFL欠損に一致した充盈欠損部にのみみられ,集合小静脈からの漏出はNFL欠損のない例でもみられた.④漏出の後で,新たにNFL欠損の発生する例はなかった.
以上の結果から,眼圧が上昇しても,乳頭のBjerrum領線維相当部に部位特異性微小循環障害は発生しないこと,充盈欠損は既存のNFL欠損に伴う異常であることが明かとなった.
したがって,従来,充盈欠損は軸索障害の原因となる一次的所見とみなされる傾向が強かったが,むしろ二次的変化にすぎないことを強く示唆する結果となった.
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