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特集 第38回日本臨床眼科学会講演集 (その4) 学術展示
異常頭位を伴う先天性眼振の治療 artifizielle Divergenz von Cüppersについて
著者: 大月洋1 渡辺好政1 江木邦晃1 平松美佐子1 中山緑子1 生田全1
所属機関: 1岡山大学医学部眼科学教室
ページ範囲:P.658 - P.659
文献購入ページに移動症例 症例1:9歳女児,両眼視下,遠見で頭を40°左へ回転させる頭位がみられる.遠見視力は,この頭位で0.4,一方左方視0.2,正面視0.2,単眼視では,固視眼が外転位の頭位をとる.近見では異常頭位(‐),視力は注視方向には関係なく1.0,斜位(‐),斜視(‐).両眼視機能;異常頭位では線条レンズで融像可,近見立体視(Titmus);5/9,2/3.眼振は水平方向で,振巾は左眼の方が大きくPendelとRuckが混在.ENG;両眼視下,遠見では両眼共通の注視方向で著明に眼振が抑制される所見(‐)であるが,あえていえば,右30°付近が該当(図1).一方,単眼視では固視眼が内転位で著しく抑制され,近見ではさらに強い抑制が認められた.遠見よりも近見で著しく眼振が抑制されることから,プリズムで内よせ融像を惹起させれば,遠見でも近見と同様の眼振の抑制が得られ異常頭位も消失すると考え,異常頭位での内転位眼の左眼にプリズムを基底外方に装用させた.
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