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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科39巻5号

1985年05月発行

文献概要

臨床報告

極小未熟児における未熟児網膜症—重症型未熟児網膜症の予後と治療における問題点

著者: 上田佳代1 山名敏子2 西村みえ子2 近藤乾3

所属機関: 1福岡市立こども病院眼科 2九州大学医学部眼科学教室 3福岡市立こども病院新生児科

ページ範囲:P.675 - P.679

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 1980年9月1日から1983年12月31日までに福岡市立こども病院NICUで経験した出生体重1,500g未満の極小未熟児69例について網膜症発生状況を検討し,さらに重症型網膜症の臨床所見,治療,予後について検討した.
(1)網膜症を発生したのは38例(55.0%),そのうち重症型網膜症は7例(10.1%)であった.
(2)重症型は全例在胎28週以下,出生体重1,000g未満で,人工換気療法を受けていた.
(3)重症型の早期診断は,網膜血管先端の位置が耳側では黄斑部から3.5乳頭径以内,鼻側では乳頭縁から6乳頭径以内で,血管先端に異常吻合,走行異常,軽度の怒張が認められれば,これを重症型と診断してよい.
(4)重症型の治療は,光凝固が第一選択で,診断がつき次第すみやかに開始し,境界部と無血管帯を十分に凝固することが重要である.また,治療によりいったん寛解した網膜症が再燃する場合があり,注意すべきである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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