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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科39巻6号

1985年06月発行

文献概要

特集 第38回日本臨床眼科学会講演集 (その5) 学会原著

Fundus Haploscopeによる盲斑機序の研究

著者: 新井真理1 高橋総子1 稲富昭太1

所属機関: 1滋賀医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.733 - P.738

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 Fundus Haploscopeにより内斜視患者350名の網膜対応を眼底直視下で観察し,そのうち網膜対応異常を伴う盲斑機序を4症例確認した.これらの症例の斜視手術後の網膜対応,抑制野,および視覚感度を測定した.その結果,斜視手術後網膜対応部位が動揺し乳頭からはずれた症例や,網膜対応部位は変化しなかったが,視覚感度分布に変化がみられた症例があった.このように同じ対応異常をともなう盲斑機序でも術後の変化に差を認めたことは,乳頭を含んだjump suppressionの幅や同時視の有無などとの関係から,盲斑の積極的な関与を考えるよりも対応異常の深さによる差異と推定された.また盲斑機序が疑われたが,盲斑を利用せず乳頭近くにjump suppressionを認める症例が5例あり,このことからも盲斑の特別な役割を考えるのは,難しいと思われる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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