icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科39巻6号

1985年06月発行

文献概要

特集 第38回日本臨床眼科学会講演集 (その5) 学会原著

Optico-encephalo-peripheral neuropathyを呈したシンナー中毒の3症例

著者: 池田潔1 木村徹1 石川哲1

所属機関: 1北里大学医学部眼科

ページ範囲:P.755 - P.758

文献購入ページに移動
 長期にわたってシンナー遊びを続けていた3症例に対して眼科的,神経学的精査を行った.
 いずれの症例も視力低下が著明で視神経萎縮を呈しており,flash VEPで高度の障害を示したにもかかわらず,ERGでは2症例でsupernormal typeを呈し視神経により強い障害をおよぼすことがわかった.
 また,脳波異常を呈し,幻覚の既往および手袋靴下型感覚障害があり,中枢神経系異常ばかりでなく末梢性ニューロパチーも認められた.1症例で小脳症状が著明であった.
 以上より,シンナー中毒では広い範囲にわたって視路が障害されている可能性があり,神経学的所見も考慮すると,本症はoptico-encephalo-peripheral neuropathyと解するのが適当であると考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?