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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科39巻7号

1985年07月発行

文献概要

特集 第38回日本臨床眼科学会講演集 (その6) 学会原著

涙道閉塞症例の涙道内CT像

著者: 石田俊郎1 中村泰久1 熊谷道朝2

所属機関: 1富山医科薬科大学眼科 2富山医科薬科大学附属病院放射線部

ページ範囲:P.878 - P.881

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 涙道閉塞症,涙道狭窄症17例22側のCT像を検討した.涙嚢部は涙嚢炎の存する例では,CT値が約+40で比較的粘稠な物質の存在を示唆し,涙嚢炎の存しない例ではCT値が約+20〜+30で涙液よりはわずかに高い値を示した.閉塞部と思われる部位は,特発例では涙嚢鼻涙管移行部から上部鼻涙管であり,外傷や副鼻腔手術などによるものでは中部から下部鼻涙管であり,いずれの場合にもその部の陰影は一様で,CT値は+60〜+80と肉芽性変化を示唆する値であった.狭窄例では,各断層面の鼻涙管内CT値は種々の値を示し内部の状態が一様でないことを示唆していた.
 これらの結果,涙道閉塞症の病態がいっそう明らかとなり,涙道手術に際し有用な情報が得られた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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