文献詳細
特集 第38回日本臨床眼科学会講演集 (その6)
学術展示
強度遠視,網膜血管蛇行,uveal effusion等を伴った小眼球症の兄弟例
著者: 馬嶋昭生1 二村健一1 白井正一郎1 桑山正美1
所属機関: 1名古屋市立大学医学部眼科学教室
ページ範囲:P.902 - P.903
文献概要
考按 本症の発生原因と機序について;成書や文献には,他に重篤な眼先天異常を合併せず,胎生裂閉鎖後に眼球の発育が停止したために発生すると記載されているがそれ以上の考案はあまりされていない.馬嶋1)は小眼球の発生学的分類として,1)眼胞形成障害,2)水晶体起因性,3)硝子体起因性,4)胎生裂閉鎖不全,5)眼杯発育障害,6)その他を提唱した.この分類によれば,まず,1)と4)が否定でき,従来の報告例から2)と3)も否定される.したがって5)と6)に原因があることになる.そこで,著者らは次のように考えている.すなわち,胎生裂閉鎖直後からの遺伝要因,環境要因あるいは不明の要因による眼杯からのぶどう膜,さらに強膜の誘導障害が本症発生の原因となる.
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